05 情報の落穂拾い

テレビやウェブで「この人物が悪い」と言い切るニュースを見かけて、心がもやもやした経験はないでしょうか。
本当に言い切れるのか。どんな情報をもとに判断されたのか。十分な情報が得られていたのか。十分って?
ものごとを断言するのはとても分かりやすい一方で、別の側面が削ぎ落とされ、他の見方や捉え方を考えるきっかけを失ってしまう懸念があります。
「分かる」という言葉の語源は「分ける」といわれているように、私たちはものごとを区切ることで理解した気になりがちです。しかし何かを判断するときには、こぼれ落ちたものを拾う姿勢を持つことで、一つの答えに限らずいろいろな見方を想像でき、多様な道筋を立てられるようになるはずです。